皆さんこんにちは☺
生活支援員 國分です🌹
もう5月も終わってしまいますね…月日がすぎるのがとっても早くてびっくりです😲
今回は解離性障害についてみなさんと学んでいきたいと思います🌟
解離性障害は、大きなストレスやトラウマが引き起こすと言われている神経障害の一種になります。ストレスやトラウマの苦痛から避難するために、精神が記憶や意識などの機能を停止させた状態に陥ることが特徴です。
仕事における強いストレスによって生じることや、症状が強くなることがあり、それによってさまざまな困りごとが生じます。このブログでは、解離性障害の種類や症状、仕事を続けるために大切なことなどを考えていきたいと思います。
解離性障害の種類と症状
解離性障害とは、「自分が自分としてまとまっている感覚(自己同一性)」が弱くなったり、失われたりしてしまう障害のことです。私たちの意識や記憶、思考、感情などは一つに統合されています。しかし、何らかの原因で統合する機能が損なわれていて、意識が飛んだり記憶が抜け落ちたり、自分が自分でないような感覚に陥ったりして自己統制ができなくなる場合があります。
このように精神が記憶や意識などの機能を停止させ、自己同一性が弱くなったり失われたりした状態を【解離】と言います。
解離性障害の年齢的な傾向として、20代後半から30代の方が8割強を占めていると言われています。
解離性障害は大きく4つに分けられていて、解離の間に起きる症状が少しずつ異なります。
解離性同一性障害(解離性同一症)
解離の間に自己同一性が完全に失われ、別の人格(交代人格)が出現するもので、「多重人格障害」とも呼ばれています。
交代人格は2~10人前後が多いのですが、100人以上も存在するという症例もあります。多重人格障害は解離性障害全体の約3割を占めています。
多くの患者は交代人格が出ている間記憶を失っています。交代人格は、年齢や性別、言葉遣いのほか、洋服などの好み、利き腕や癖まで異なることがあります。自分の思い通りにいかない場面では粗暴な人格にスイッチングしてトラブルを起こしてしまうケースもあります。多重人格障害は、周囲の人からは「演技」「嘘つき」「関わりにくい 」などと思われてしまうこともあり、社会生活や仕事に影響が出ることがあります。
離人症性障害(離人感・現実感消失障害)
解離の間、離人感(自分が自分の身体から抜け出しているような感覚、現実感がなくなって世界との間に透明な膜が張っているような感覚など)を中心とした症状が出るものです。離人症性障害は解離性障害全体の約1割を占めています。自分の体が自分のものでないように感じられる、まるで自分を外から眺めているような気がするなど、現実感や実感が喪失する状態です。
本人は会話をしているつもりなのに、話しているのは頭の中だけで実際には声に出ていないということもあります。喜怒哀楽の感情も乏しくなり、何をやっても自分がやっているように感じることができなくなると言われています。
解離性健忘
解離性健忘は、強いストレスや心因ダメージのあった出来事の記憶が空白または喪失状態になるものです。記憶の空白または喪失状態は数日から長期に及ぶこともあります。解離性障害全体の約5%を占めています。いわゆる記憶喪失の状態で、記憶の失い方によってタイプが分けられます。またいくつかの症状が重なって表れることもあります。
・限局性健忘
解離性健忘の中で最も多く見受けられるタイプになります。限られた期間の出来事を思い出せなくなるという症状が表れます。犯罪被害などに遭った人は、恐怖心や身体感覚を忘れるだけではなく、当時の出来事がそっくり記憶から抜け落ちてしまうこともあります。
・選択制健忘
ある限られた期間の出来事の一部は記憶にあるものの、全部は思い出せない状態のことを言います。犯罪被害にあった記憶はないが、その場所だけは覚えていてなぜか近づけないといったことが起こります。
・系統的健忘
母親のことを覚えていないなど、その人にとって特別な存在の人に関する記憶を失ってしまう症状です。
・全般性健忘
自分がだれなのか、今どこにいて何をしているのかわからず、更に過去の経験んも忘れてしまう症状になります。記憶が一切ないまま遁走して、見知らぬ土地で別人として生活する人もいます。
・持続性健忘
解離性健忘を発症した後に、新たに起きた出来事を記憶できない症状です。
特定不能の解離性障害
上記のどの障害としても特定できない、様々な解離症状を示すものになります。実はこれが最も割合が大きく、解離性障害全体の半分強を占めていると言われています。
解離性障害の原因
解離性障害とは、刺激(ストレス)が強すぎて処理しきれない時にストレスを遮断しようとして自動的に生じる防衛反応とも言われています。一時的なものであれば正常な範囲内の解離現象で誰でも経験し得ることです。しかし、自分の限界を超えた重いストレスにさらされると意識や思考、記憶などを切り離して苦痛から逃れようとします。例えば、大切な人が突然亡くなったときなど、ショックのあまり意識を失うこともありますが、これも解離の一種です。
この状態が繰り返し長期間続くと解離現象(防衛反応)が習慣化します。そうなると解離現象は日常生活に支障をきたす障害となってしまいます。
解離性障害で就職、仕事を続けるために…
解離性障害の種類は様々であり、症状の程度にも違いがあるため、就職や仕事をつづけることは可能なのか…という問いには一概にお答えすることはできません。しかし、解離性障害は適切な治療でよくなる病気です。また、単に年齢と人生経験を重ねていくうちに自然と解離の世界から脱出していき、治っていく人もいると言われています。まずは、医師や専門家との信頼関係をしっかりつくることが重要ですが、実際に就職して仕事をする場合には様々な点に気を付ける必要があります。
ノルマのない仕事を選ぶ
解離性障害の症状はストレスに対する防衛反応なので、なるべく時間・仕事量・成果などのノルマがない仕事がオススメです。また、在宅勤務によって自分のペースで仕事を進められる環境を作るのもいいと思います。ただし在宅勤務の仕事は、周囲のサポートを得にくいというデメリットもあるため、自分に合った働き方であるであるかどうか事前に考えましょう。
会社と環境調整を相談する
解離性障害はストレスが原因であり、それが症状にも影響するため症状がつらい場合はストレス源から遠ざかるよう環境調整することも大切になります。自分の状態を会社や上司に伝え、協力を得ながら働きやすい環境を作っていきましょう。
飲酒を控える
飲酒は解離性障害の症状を悪化させることがあると言われています。そのため控えることが望ましいです。規則正しい食事と睡眠によって心身を健康な状態に保つことが大切です。
解離性障害での休職・退職
解離性障害の症状によっては、仕事を休んだ方が良い場合もあります。単純に仕事の継続が難しいという問題もありますが、心身が疲れ切っている場合は療養が最優先になります。短期の療養でも、長期にわたる療養が必要な場合もまずいいしに相談しましょう。
解離性障害で休職・退職時にも利用できる経済的な支援制度
自立支援医療制度(精神通院医療制度)
解離性障害の治療のために通院中の人や、治療により症状が安定し再発の予防目的で通院中の人の医療費の自己負担額を軽減する制度です。疾患の種類や所得に応じて1ヶ月当たりの負担の限度額が設定されます。
障害者手帳
解離性障害のある方は、精神障害者保健福祉手帳を取得することができる場合もあります。申請には各種条件があるため、まずは主治医へ相談しましょう。
障害者手帳を取得すると、疾患の種類や程度に応じて様々な福祉サービスや税金の控除、公共交通機関の運賃や公共施設利用料の割引などを受けることができます。また、障害者雇用という枠で、症状に対する理解や支援を得られやすい職場で働く選択肢も選ぶことができます。
障害年金
障害や疾患のために、生活や仕事に支障が出たときに支給される年金です。働いていた場合でも、症状により仕事が制限されていると判断された場合は、生活の一部を支援する額が支給されます。
生活保護
怪我や疾患などにより働くことが難しく、収入が不十分で生活に困った場合に、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための費用が給付される制度になります。受給には各種条件がありますので、まずはお住まいの市町村に相談しましょう。
傷病手当金
疾患や怪我で仕事を長期間休むときに無収入になってしまうことを避け、生活を保障する目的で支給される手当金です。ただし、労災保険の給付対象とはならない、業務外の理由による休職に限られます。保険組合の加入期間によって、その人の平均収入額3分の2の額、または月額28~30万円のいずれかが最長1年6ヶ月まで支給されます。
解離性障害をお持ちの方の就職や職場復帰は専門機関の支援を利用する
解離性障害をきっかけに療養が必要となり、休職・退職に至った場合は、医師からの許可がでたのちに就職先を探すことになります。
前職で自分に適していなかった要素を分析し、それらの要素を含まない仕事を選ぶと良いでしょう。その際には、疾患や障害のある人の就職活動を支援する機関を利用することをおすすめします。
ハローワーク
ハローワークには、障害や疾患のある人の就労を支援する窓口「専門援助部門」があります。また、就職に関する相談やカウンセリングの実施のほか、障害や疾患のある人を対象にした求人の紹介などを行っています。
就労移行支援
解離性障害などで働くことにお悩みのある方への支援として、就労移行支援があります。就労移行支援とは障害のある方の就職をサポートする福祉機関の一つになります。ネオワークス郡山では、障害のある方が自分らしく働くためのサポートを行っています。
まとめ
解離性障害は、種類によって症状も大きく異なります。また症状が表れたことを本人が覚えていないこともあり、周囲の理解や適切な対応が大切になってきます。しかし、症状が改善すれば就職や仕事を続けることは可能です。もし、退職後に療養を経て復帰を目指す場合は、ぜひ専門の支援機関の利用を検討しましょう。
ネオワークス郡山では、一人ひとりにあわせたカリキュラム設定、提供をいたします。
現在利用者様を募集しています🌟
相談・見学・体験随時受付中です☺
お気軽にお問い合わせください✨