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皆さんこんにちは☺
生活支援員の國分です✨
最近、『大人の発達障害』という言葉を様々なメディアで聞くようになりました。発達障害は、幼少期にその症状が出現するものですが、大人になるまで本人や周囲の人も症状の存在に気づかない場合もあります。大人になって初めて発達障害の症状が顕在化したものを『大人の発達障害』といいます。
大人になって初めて発達障害が診断させるきっかけの1つとして、うつ病になったときがあげられます。このブログをご覧になっている方の中にも「ほかの人と違ってなぜ自分だけうまくいかないのだろう」と社会に出た頃から悩んでるかた、気持ちがふさぎ込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は『大人の発達障害』とうつ病の関係について考えていきたいと思います。
大人の発達障害とは・・・
実は、正確なことを言うと『発達障害』という診断名はありません。発達障害という言葉は、発達障害に分類される障害群の総称になります。発達障害には、『自閉スペクトラム症(ASD)』『注意欠如・多動症(ADHD)』『限局性学習症(所謂、学習障害)』『発達性強調運動障害(所謂、不器用)』などが含まれています。一人の方にいくつかの障害が互いに重なり合ってみられることもあります。
発達障害は、物の捉え方や行動において先天的な特性がある障害であり、親の育て方などの後天的要因によって発症する障害ではありません。発達障害の特性のために幼少期から人間関係や社会生活において一定以上の困難さがみられますので基本的に幼少期に発達障害であることが分かります。一方で発達障害特性が比較的に軽度で、大人になるまで目立った困り事がみられない場合は大人になるまで発達障害の診断がなされないこともあります。
大人になってから発達障害特性の影響により仕事でうまくいかなかったり、対人関係上のトラブルが続いたりすることで、精神面の不調が生じ、医師に相談して発達障害の診断をされる方もいらっしゃいます。このような経緯で発達障害の診断に至ったものを『大人の発達障害』と言われます。つまり、『大人の発達障害』とは、大人になってから発症したものではなく、幼少期から認められていた発達障害特性が大人になってから顕在化したものになります。
『大人の発達障害』として問題となりやすいASDとADHDの特徴
大人になって初めて発達障害と診断された場合には、ASDとADHDが代表的な診断になります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
ASDの特徴
社会的コミュニケーションの障害、限局された興味に基づく反復的、常同的な行動(拘り、想像力の障害)、感覚刺激に対する過敏または鈍感さ、といった特徴が幼少期早期に出現します。以下のような困り事が見受けられます。
・暗黙のルールがわからない
・その場の空気を読んで臨機応変な対応をすることが難しい
・相手との適切な距離感がわからず、近づきすぎて話してしまう
・皮肉や冗談、あいまいな表現の理解が難しい
・自分の考えや思いを相手に端的に伝えることが難しい
・イントネーションや言葉の使い方が独特である
・自身の中のルールに強くこだわり、周囲に合わせることが難しい
。興味関心の幅が狭く、特定のことに過度にこだわる
・急な予定変更に対して柔軟に対応できずに混乱してしまう
・特定の感覚刺激(聴覚、視覚、触覚、嗅覚など)に対し、極端に過敏または鈍感になる
ADHDの特徴
年齢に比して、落ち着きがなくそわそわしやすい(多動性)、待つことが難しい(衝動性)、注意を持続することが難しく作業にミスが多い(不注意)といった特徴が目立ちます。多動性や衝動性、不注意のすべてが認められる場合やどれかひとつが認められる場合もあります。以下のような困り事が見受けられます。
・気が散りやすく作業に集中できない
・忘れっぽい
・順序立てて物事を進めるのが苦手
・整理整頓が苦手
・時間や締め切りに間に合うように行動することが難しい
・落ち着いて行動できない
・熟慮せずに思いつきで行動してしまう
・人の話を最後まで聞けず途中で割り込んでしまう
『大人の発達障害』でなぜうつ病が発症しやすいのか
発達障害が背景にあるとうつ病を発症しやすいということは様々な研究で明らかにされています。例えばASDとうつ病の合併率は20%、ASDがない人のうつ病合併率は7%と言われています。
発達障害の方は、その障害特性ゆえのつまずきを子供のころから何度も経験し、そのつまづきを周囲に責められた経験も多いため、自己肯定感が低下しやすいです。特に発達障害であることを本人も周囲も気づいていない場合は周囲からの適切なサポートも得られないため、自分に対してもひたすら否定的な評価しかできず、常に漠然として不安を抱きながら過ごすことになりがちです。
大人になり社会へ出ると、発達障害特性によって、対人関係や仕事上で失敗を繰り返すことも多くなり、うつ症状が出現することがあります。このように発達障害特性への本人や周囲の気づきが不十分なまま悪循環が続いた結果生じるのが発達障害の合併症としてのうつ病です。
『大人の発達障害』を背景に持つうつ病の治療で大切なこと
『大人の発達障害』を背景にうつ病を発症した患者に対する治療と発達障害をもたないうつ病患者に対する治療とも間に大きな違いはありません。まずは、十分な休養をとることによりうつ病の開園を目指しましょう。
治療によってうつ症状がある程度改善したとしても、うつ病発症のきっかけとなった発達障害に起因した対人関係や仕事上でのストレスが大きく変わらない場合は、うつ病が再発したり長期化する可能性があります。
うつ病の治療と並行して、発達障害そのものに対する対応を周囲の人達の協力を得ながら進めていくことが大切です。医療機関などで相談しながら解決法を探っていくと良いでしょう。
発達障害の特徴を把握する
『大人の発達障害』を考慮したうえで、適切なうつ病の治療をしていくためには、まず自分自身の特徴を客観的に把握することが大事になります。しかし、自分が『大人の発達障害』かもしれないと感じた場合、どこに相談して診断を受ければいいのかわからない方もいらっしゃると思います。
診療科としては、精神科や心療内科が『大人の発達障害』の診断や治療に対応することが多いです。どの医療機関を受診したらよいかわからない場合は、地域の発達障がい者支援センターに相談するのもいいでしょう。
医療機関を受診すると、まずは医師の問診により現在抱えている悩みや問題などを明らかにします。子供時代の様子、これまでの仕事内容や職場での人間関係などについても聞かれる場合があります。また必要に応じて発達障害特性についての質問用紙検査などが行われる場合もあります。
問診や検査の結果をふまえて、発達障害であるかどうかの判断がなされます。発達障害特性がはっきりしている場合は初心で診断がなされる場合もありますが、診断に必要な情報収集に一定の時間がかかるため、多くの場合数回の診察を経て判断がなされます。
診断を受ける際は、単に診断名を聞くだけではなく、自身の発達障害特性が日常生活や職場でのつまづきにどう関係していたのかについて医師と話し合ってみましょう。自分の不得意なところが明確になると、自分でできる具体的な方法もみえてきます。困り事に対する実際の対応例として以下のようなものがあります。
困り事…時間や締め切りに間に合うように行動することが難しい
対応例…スマートフォンのアプリで予定のリマインドをする
困り事…気が散りやすく作業に集中できない
対応例…机に無駄なものを置かない、スマートフォンは手の届かない場所に置く
周囲から合理的配慮を得られるようにする
発達障害は、先天的な個性や特徴であり、根本的に治療することはできません。また、本人自身で対応できることにも限界があります。本人が感じている生活場面や職場での困り事がどう生じているのかを周囲の人に理解してもらい、発達障害特性を考えたうえで合理的配慮を得ることが必要になります。
合理的配慮は平成28年4月1日い施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」で明記されています。困りごとに対する実際の合理的配慮の例を見ていきましょう。
困り事…曖昧な指示や表現の理解が難しい
配慮例…具体的にわかりやすい指示を出し、指示内容を確認しあう
困り事…急な予定変更に対して柔軟に対応できず混乱してしまう
配慮例…なるべく事前に予定変更を伝えてもらう
自身の発達障害特性について、本人だけでは家族や職場の人に伝えにくい場合もあります。発達障害特性を理解してくれている主治医や相談機関の職員に協力を依頼してもよいかもしれません。
薬物療法
『大人の発達障害』に併存したうつ病に対し、特に効果がある薬があるわけではありません。一般のうつ病治療ガイドラインに従い、必要に応じて薬物療法が検討されます。ASD、ADHDでは双極性障害の合併が高いことが報告されています。精神科専門医に相談しながら慎重に薬物療法を進める必要があります。
発達障害の方には、うつ病の治療以外にも薬物療法がおこなわれることがありますので、主治医とよく相談したうえで服用を検討しましょう。
『大人の発達障害』を背景にうつ病を発症したら・・・
うつ病は誰でもなりうる病気です。うつ病になる前から「ほかの人と違って、なぜ自分だけうまくいかないのだろう…」と感じている場合は、発達障害を併せ持っているもかもしれません。発達障害をきっかけに発症したうつ病では、個々の発達障害の特性に応じた治療が必要になります。得意なところ、不得意なところを立ち止まってじっくり考える良い機会になるかもしれません。
ネオワークス郡山では、障害特性を一緒に理解しながら一般就労へ向けてさまざまなちからを身につけていく障害福祉サービスになります。
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