こんにちは!
生活支援員 國分です。
みなさんは二次障害という言葉は知っていますか?
今回は発達障害の人が陥りやすい二次障害について皆さんと一緒に学んでいきたいと思います!
自分の悩みはもしかしたらこれかも…?
発達障害の特性を持っている家族がいる方の参考になればと思います!
二次障害とは・・・
二次障害とは、何等かの一次障害(発達障害・身体障害・その他の障壁)をもっている方が一次障害が原因で自己肯定感が下がる・強いストレスに晒され続ける状態になり、うつ病・不安障害等の精神障害など、新たな困り事が起こってしまう状態です。
発達障害が原因で二次障害を発症するケースは多く、うつ病やその他精神障害で心療内科や精神科を受診して、実は発達障害だったというケースも多々あります。
二次障害として発症する可能性のある精神疾患は多岐にわたります。
例えば…
うつ病・双極性障害・統合失調症・社交性不安障害・強迫性障害・愛着障害・醜形恐怖症・依存症(アルコール・薬物・依存症など)
また、発生する可能性のある困り事も多くあります。
例えば…
ひきこもり・暴力・非行
一次障害を原因としてさまざまな新たな障害に発展してしまうことがあります。二次障害に発展してしまうと、働くことはもちろんですが日常生活にも影響が出てしまいます。その前にできれば対処できるといいですね。
発達障害が二次障害に発展しやすい原因とは…
なぜ、発達障害の特性を持っていると二次障害に発展してしまうことが多いのでしょうか。
原因の説明の前に少し発達障害について理解してみましょう!
発達障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)・注意欠如、多動性障害(ADHD)・限局性学習障害(SLD)の3種類あります。3種類をいっても、複数の障害特性を複合して持っていたり、知的障害と併発していることも多いです。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の特性
・相手の気持ちや場の雰囲気を読み取ることが苦手
・自分の行動の不適切さを気付いて修正するのが苦手
・表情などの非言語情報を介したやり取りや抽象的な表現の読み取りの苦手
・人との適度な距離感を取ることの難しさ
・興味が限定的
などが挙げられます。
注意欠陥、多動性障害(ADHD)の特性
・不注意傾向が強い
・衝動的に行動してしまう
などが挙げられます。
限局性学習障害(SLD)の特性
・文字や文章を読むことの難しさ
・文字を書いたり、文章を作成したりすることの難しさ
・算数問題を解くことの難しさ
などが挙げられます。
それが知的水準で期待される能力とマッチしない、またはどこかの部分だけに限定してむずかしさがある場合SLDと診断されます。
上記に挙げた特性は一部です。持っている特性に個人差が大きいことも発達障害の特徴になります。
また、発達障害は脳の機能障害のため生まれつきの障害であり途中から特性が発現することはありません。自分の努力次第で改善されるものでもありません。それも1つの特徴になります。
発達障害は「社会性の障害」とも言われており、周囲との関係性や環境と自分の特性がマッチしない時に困り事が生じ”障害”となるのです。
ではなぜ、発達障害の特性を持っていると二次障害に発展してしまうことが多いのでしょうか。
知的の遅れがない場合は特にですが、発達障害は見た目では特性や困難さを持っているとは理解されにくく、障害特性が原因となった行動や失敗に対して周囲から誤解されてしまうことがあります。
例えば、甘えや努力不足、しつけの方法や教育不足などと思われ、叱責を受ける・否定的な態度を取られるなどの対応を周囲から受けてしまうことがあります。また、自分でも特性を持っている事に気付かずに、うまくいかないのは自分の努力不足だと自分を責めてしまったり、自身の不適切な行動に気付かず知らず知らずのうちに周囲との摩擦が生まれてしまうということもあります。
このような状態が続き、自己肯定感が低下していく・強いストレスに対処できなくなると、二次障害に発展してしまうことがあります。
仕事でミスが続き怒られることが多く、自分でもなぜミスしてしまうのか原因がわからない… 自分は周囲とうまくコミュニケーションを取っているつもりだったのに、知らないうちに周囲から距離を置かれてしまったことが何度もある…
上記のような状況になれば、誰しもストレスがたまりますよね。元々持っている特性が強く出ることも多くあります。そうすると「うまくいってたこともうまくいかない」など悪循環に陥ってしまうこともあります。
発達障害の特性上、問題を解決する力が低かったり、自分の状態を把握することが苦手だったり、ストレス対処がうまくいかなかったりすると、なおさらストレスによって疲弊していき、二次障害に繋がってしまうリスクが高まります。
二次障害は特性と周囲の環境がマッチしないことで、知らず知らずに進行し、悪化してから問題として顕在化することがあります。それは本人だけの問題ではなく、周囲の理解がない・配慮を得られない・自分の得意なこととマッチしていない業務が多いなど、周囲の影響も大きいです。
自分が悪い・環境が悪いとどちらかの責任にするのではなく、自己理解を進め、周囲に理解を求めていくことで悪循環を解消していくことができる可能性が高まります。
では、どうしたらこの状況を打破できるのでしょうか…
次回具体的な策を考えていきたいと思います。
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