皆さんこんにちは🌸
生活支援員 國分です☺
早速ですが、忘れっぽいとどうなるでしょうか?
必要なものが用意できない…物事が予定通り進まない…結果的に約束を破ってしまう…など問題がでてくるでしょうか。
仕事でも私生活でも〖忘れ物〗や〖忘れごと〗はない方が望ましいと思います。誰もが準備物や約束を忘れたくて忘れているわけではないと思います。
自分が忘れっぽいということで悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか…
仕事で忘れ物・忘れ事をしてしまうと物事によっては重大な問題を引き起こす要因になってしまったり、信用を失ってしまう…ということがあるかもしれません。
これは障害者雇用枠でも同じで、正社員でもパート・アルバイトでも誰でも同じです。
障がいをお持ちの方の場合、仕事での〖忘れ〗をきっかけにうまくいかない自分に対しての自己嫌悪や責められたりすることでのストレスなどで二次障害の要因になることも考えられます。
【二次障害とは、障害特性による一時的な問題+後天的な要因(ストレスやトラウマなど)によって起こる二次的な障害のことでうつ病や不安障害などもその一つになります。】
忘れっぽいという自覚があれば対策することができますが、無自覚で過ごしてしまうと周りに迷惑をかけてしまったり、振り回してしまったりと段々人が離れていってしまうということになってしまうかもしれません。
このようなことは仕事を長く続けてくためにも避けたいところではあります。
大人の発達障害とは・・・
発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢に発現するものとされています。
発達障害の明確な原因は解明されていませんが、先天的な脳と神経系の障害で育て方や努力不足が原因ではないと言われています。
学生時代の忘れ物や忘れ事は『おっちょこちょい』や『抜けている』で済むことがあるかもしれません。しかし仕事をする上では『おっちょこちょい』や『抜けている』は『不注意』『確認不足』と捉えられることが多くなります。
そこからミス・事故・インシデントが発生し、場合によっては取引先や会社に大きな影響を与えることもあるため、特に仕事をする上では〖忘れっぽい〗で済まされない状況も多数あります。
発達障害は通常低年齢で発現しますが、上記の例のように成人になって初めて気付く場合があります。そのため【大人の発達障害】という表現が使用されることも多くなってきています。
大人の発達障害では特にASD(自閉症スペクトラム障害/アスペルガー障害なども含む)、ADHD(注意欠如・多動性障害)に触れていることが多く、それぞれ以下のような障害特性があります。
ASD(自閉症スペクトラム障害/アスペルガー障害なども含む)の障害特性の一例
・社会的コミュニケーションや対人コミュニケーションの苦手
・限定的な興味や拘りの強さ
・感覚的な刺激に対しての過敏や鈍感
ADHD(注意欠如・多動性障害)の障害特性の一例
・不注意(忘れっぽい、集中力の持続が難しいなど)
・衝動性(じっとしていられない、感情的になりやすいなど)
・多動性(しゃべりすぎる、考えるより先に行動してしまうなど)
発達障害のある方はなぜ〖忘れっぽい〗のか
ASD(自閉症スペクトラム障害/アスペルガー障害なども含む)の方の場合
・限定的な興味や強いこだわりによって、会話の内容に興味が持てない
・予想外の変化やできごとが苦手で混乱したり、パニックを起こしたりして思考停止になる
・聴覚が敏感で複数の情報が(音や言葉など)耳から入ってくると処理しきれない(聴覚過敏・感覚過敏などと言われます)
ADHD(注意欠如・多動症)の方の場合
・他のことや周囲の刺激に気を取られてしまい話を聞き逃してしまう
・その時はわかっていても集中力の欠如や他の刺激に気を取られてしまうことで後回しになり忘れてしまい、結果としてやらない
発達障害の特徴として、複数の発達障害が併存する場合があると言われています。
発達障害の併存の有無に関わらず、障害特性は人それぞれ症状の強弱、濃淡は異なります。単純に当てはめることはできません。物事の状況や周囲からの影響など、複数の視点から観察することが必要になります。
また、ワーキングメモリの弱さを感じている方の多くいらっしゃいます。
※ワーキングメモリ(作業記憶・作動記憶)とは…短い時間に心の中で情報を保持し同時に処理する能力のこと
極端な例ではありますが、1つから2つのことは覚えていても、3つ以上になると容量オーバーになり1つ忘れてしまうといったイメージになります。
発達障害のある方にマルチタスク(複数のことを同時進行で行うこと)が苦手な方が多いことや忘れっぽい、記憶力が良くないと言われることの要因の一つにワーキングメモリの弱さがあります。
発達障害をお持ちの方が、忘れ物・忘れ事を防ぐためにはこのような障害による特性を理解しつつ具体的な対策を実行していく必要があります。
忘れ物・忘れ事を防ぐために必要な対策
ここまでお読みいただいた方には、発達障害のある方がなぜ忘れ物・忘れ事が多いのかなんとなくわかっていただけたのではないでしょうか・
また、多くの方が「覚える気がない」「そもそも聞く気がない」ということではなく、物事を実行していくことについて障害特性上、難しいことがあるおいうこともご理解いただければと思います。
ではここから対策を考えていきたいと思います。
1.メモを取る
基本的な対策にはなりますが、書くことによって見る・聞くだけよりも記憶に残りやすくなります。学校や資格の勉強と同じ要領になります。
「メモは取っているのだけど…」という話もよく聞かれますが、「メモは書いたけどどこに書いたのかわからない…」という方もいます。そのような方はもしかしたら内容を整理できていないのかもしれません。
闇雲に書くのではなく、「何のために書いているのか」「どうすれば自分が確認しやすいか」ということなどを考えながら書く必要があります。
しかし、「話を聞きながら」「内容を整理しながら」「どうすれば自分が確認しやすいか」などを考えながらメモを書くということは難しいかもしれません。
そのマルチタスクを避けるためには、自分に合うツール・道具(手帳など)をあらかじめ用意して使い方を知っておく必要があります。
手で文字を書くことも大切ですが、スマートフォンやパソコンを利用してみる方法がやりやすい、という方もいらっしゃると思います。しかしシチュエーションによっては使えない場合もあります。
会話中の操作は話を聞いていないと思われてしまったり、別のことをしている、さぼっているように見えてしまう、といった可能性があります。(どうしてもデバイスを使う必要がある方は、相手に事前に相談・お願いしておくと良いでしょう)
中には「私は記憶力がいいので書かなくてもわかる、覚えてられる」という方もいらっしゃると思います。ですが、メモを書く姿が話し相手に安心感を与えることもあります。メモを書いている様子が見えることで「熱心に聞いてくれている」「安心して話せる」という印象に繋がります。記憶力が良い方も副次的な効果を狙ってメモを取ることをお勧めします。
2.ToDoリストを使う
ToDoリストを使用することも忘れないためにおこなう対策の一つです。ToDoリストはタスクリスト、やることリストなどと呼ばれることもあります。
ノートやメモ帳を使って、必要なこと・やること(ToDoやタスク)を書き出しておくことでやるべきことが管理しやすくなります。
済んだことをチェックしたり、二重線で消したりすることで、もう済んだことなのかまだ手をつけていないのか簡単に把握することができます。
1.メモを取るで書いたメモを整理しながらやるべきことをまとめておくとなお良いでしょう。メモした内容の振り返りにもなりますし、思考の整理にもなります。もしそこで疑問があれば確認をすることで、自分がすべきことがハッキリします。確認したことで不安なく行動できるのではないでしょうか。
ToDoとして書き出しておくことで忘れ物・忘れ事を減らすだけでなく、確認作業にも役立ちます。
また、グループやチームで共有することでお互いの進捗を把握することもできます。実際にプロジェクトの進行やイベントの準備などでは、ToDoリストを共有することはよくあることです。うまく使いこなすことはマネジメントや進行管理にも役立ちます。立派な仕事のスキルの一つと言えるのではないでしょうか。
3.リマインド
リマインドとは、「思い出させる」というような意味があります。
リマインドには大きく2種類あります。
1つは自分自身で行うリマインド、もう1つは他者にお願いするリマインドです。
自分自身でおこなうリマインドは、忘れないようにメモを貼っておく、読み返す・ToDoリストを確認する、スマートフォンやパソコンに通知を表示させるなどが自分自身でおこなうリマインドになります。
さらに具体的な方法として
・出掛ける前に確認できるように自宅の玄関にメモや小さいホワイトボードを貼っておく
・確認するという行動をあらかじめ手順のひとつにしておく
・カレンダーアプリなどの予定に通知の設定をしておく
などが挙げられます。
基本的には自分自身で管理ができる状態を目指す必要がありますが、場合によっては他者にリマインドをお願いすることもあります。例えば声をかけてもらう、リマインドメールをお願いするなどです。
リマインドをお願いする場合のポイントは、お願いが先行してしまわないように気を付けることです。自己対処よりお願いが先行してしまうことで「やるべきことをやってない」「できる努力をしていない」「ただのわがまま」というような悪い印象を与えてしまう可能性があります。
忘れ物・忘れ事を防ぐための対策+α
1.部屋やデスクを片付ける
人は目に入るものが気になってしまうことがあります。例えば手元にスマートフォンがあると、つい気になってSNSを見てしまったり、それがきっかけで本来やるべきことから離れてしまうということが発生しがちです。
必要なものは手元に用意しておく必要がありますが、そうでないものはバッグにしまう、ロッカーや引き出しにしまうなどして、目につかないようにしておくと、集中力を削ぐ要因を少なくすることができます。
モノを置いておく場所を決めておくことで探す時間も少なくできますし、忘れ物を減らすこともできると思います。片付けは面倒に感じることもありますが、メリットも多いのでできることから一つずつでも進めると良いのではないでしょうか。何より「片付けなくちゃ‼」というプレッシャーから自分を解放できることも大きなメリットになると思います。
2.ルーティンに組み込んで思い出すきっかけを増やす
例えばゴミの日に燃えるゴミを捨てるとします。ゴミ箱がいっぱいになったら捨てようと思っているとゴミを捨てるきっかけは一つです。しかし。燃えるゴミの日は必ず捨てるということにしておけばルーティンになります。
〖ゴミの日〗と〖いっぱいになったら〗というゴミをすてるきっかけを2つにすることができます。思い出す機会を増やす、確認する機会をふやす、行動のきっかけを増やすなど自分が忘れないためのきっかけを複数用意しておくことも忘れ物・忘れ事を減らすコツの一つになります。
障がいをお持ちの方が継続して働き続けるためには、ご自身の障害特性・得意・んが手などを知る〖自己理解〗→自分自身にできることは〖自己対処〗→自己対処だけでは難しいことについては〖合理的配慮〗を依頼するということが必要になります。
知識や資格も仕事をしていくうえで大切な要素にはなりますが、自分自身が持っている長所を活かしたり、短所が強く出過ぎないようにするためにネオワークス郡山では日々訓練や講義を行っています。
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