みなさんこんにちは☺
生活支援員 國分です🌟
今回は”認知行動療法”についてみなさんと学んでいきたいと思います‼
認知行動療法とは、物事の捉え方(認知)や行動に働きかけて、ストレスを軽減する心理療法のことです。元々「認知療法」と「行動療法」が別々に発展していましたが、近年では【認知行動療法】と合わせて呼ばれることが多くなりました。
認知がゆがむことで何でもないことでも大きなストレスとなり、行動にも影響が出ます。カウンセリングなどでその認知のゆがみを整えていくことで、同じ場面でもストレスを軽減し気持ちをコントロールできるようにすることが認知行動療法になります。うつ病などの精神疾患の治療において効果があると言われています。
今回は、認知行動療法の意味や効果の説明と、病院で受ける場合や自分で行う場合の方法などを学んでいきたいと思います🌟
認知行動療法とは…
物事の捉え方を認知と言います。認知は同じ出来事であっても人によって捉え方が変わります。この認知に偏りがあることで何でもないことでもストレスを大きく受けてしまうことになります。そして認知は行動にも影響を与えます。
例えば試験を受けていて、残り時間が10分となったとき「あと10分もある」と思うか「あと10分しかない」と思うのでは、感じるストレスに違いが出てきます。そして「あと10分しかない」と思った場合は焦って書き間違いをするなど行動にも影響が出てきます。
認知行動療法はその認知と行動に働きかけて、思考のバランスを整えて、ストレスを軽減していく精神療法のことを言います。うつ病・統合失調症・パニック障害・PTSD(心外外傷後ストレス症)などさまざまな精神疾患、障害の治療に用いられます。
認知療法とは…
認知療法とは偏った認知を整え、柔軟な考え方ができるようにする療法です。うつ病などの場合は物事を悲観的、否定的に捉えてしまうことが多くあります。そういった認知の癖に気づき、現実に沿ったものに整えていくことでストレスを軽減していきます。
行動療法とは…
行動療法とは行動上の問題に注目し、どういった行動が適切かを考え実行することで、問題を解消していく療法です。例えばパニック障害の方が「パニックになるかもしれない」という恐怖で電車に乗車できない場合は、誰かと一緒にまず駅に行く、各駅停車に乗る、など徐々に慣れていくことで最終的に「電車に乗っても大丈夫」と実感できるようにする方法などがあります。認知療法と行動療法は別々に発展してきましたが、相互に関係していることがわかってきたため、近年は「認知行動療法」と呼ばれるようになってきました。
自動思考について…
自動思考とは文字通り何か出来事があった際に「自動で浮かぶ考え」のことでwす。
例えば、朝の時間に普段よく会話をする同級生や同僚とすれ違った時、あなたは挨拶をしました。しかしその相手はあなたに挨拶は返さずにそのまま通りすぎていってしまいました。そんなときどのような気持ちになりますか?
・嫌われたのかな
・失礼な人だな
・体調不良なのかな
・聞こえなかったのかな
などが浮かんできますか?今浮かんだ気持ちが自動思考となります。ここに挙げた以外の考えが浮かんだ方もいらっしゃると思います。
自動思考自体に良い悪いがあるわけではありません。しかし、現実と自動思考のずれが大きいとさまざまな問題が起きてしまいます。この場合だと、相手はただあなたの挨拶に気づかなかっただけかもしれないのに、「嫌われた」と思い悩んでしまうと、ストレスになるだけではなくその後の相手とも関係もギクシャクしてしまうなど、精神・行動療法に影響がでてしまうことも考えられます。
認知行動療法とは、この自動思考と現実のズレを整えていく手法になります。
スキーマと自動思考の関係
自動思考は人それぞれ違っていて「スキーマ」というものが基となっています。スキーマとは無意識の価値観のことで、海に浮かぶ氷山によく例えられています。「嫌われた」「失礼な人だ」というのは海面(意識)に浮かぶ考え方で、その考えの根拠となっているのが海中(無意識)にあるスキーマということになります。
先ほどの例で言うと、挨拶が返ってこなかったときに「嫌われた」という自動思考が浮かんだ人は無意識化に「自分は人から好かれない」というスキーマがあるからかもしれません。そういう方は「会話している最中に相手が時計を見た」「既読がついたのに返信がこない」といった時も「嫌われた」という自動思考が浮かぶ傾向があります。
もちろんここに挙げた例だけではわかりません。スキーマを判断する際は、主治医などに相談しましょう。
認知行動療法のやり方・方法
認知行動療法は、医師やカウンセラーなどと一回30分以上の面談を16から20回ほど行うことが多く、以下の流れで進んでいきます。期間は3カ月程度かかると言われています。
・自身のストレスに気づいて問題を整理する
・その問題がどのような状況で起き、どのような感情を引き起こしてるか整理する
・自動思考が自身の感情や行動にどのように影響しているのか探っていく
・自動思考の特徴的な癖に気づく
・自動思考と現実とのずれに注目して、現実にそった見方に変える練習を行う
・問題を解決する方法や人間関係を改善する方法の練習を行う
実際には面談だけではなく、自身で取り組む「ホームワーク」なども並行して進めていくことが多いです。(ホームワークとは宿題という意味で、面談で話した内容を元に、次回の面談までに実践する課題のことを言います。)
認知行動療法の効果
認知行動療法は、認知の偏りを整えていくことで、今まで感じていた負の感情やストレスを軽減する効果があります。また、方法を身につけることで、治療を行っている時だけではなく日常生活でも些細な事に左右されなくなるという効果もあります。次に「コラム法」という方法を挙げて具体的に流れと効果を説明していきたいと思います。
コラム法
ここでは認知行動療法の1つコラム法を通して効果を見ていきたいと思います。
コラムとは枠という意味で、紙に引かれた枠線の項目に沿って「出来事」「自動思考」「感情の点数化」「適応的思考」「感情の再点数化」を記載していきます。書くことで客観的に見ることができるようになります。このことは「外在化」と言われており、外在化することで自分の認知の癖に気付き、現実とのバランスを整えていくことに役立ちます。
【コラム法で記載する項目】
・出来事
出来事をなるべく事実のみ書くようにしましょう
・出来事への自動思考
出来事が起こったときに感じたことをそのまま書きましょう
・感情の点数化
その時の感情とどのくらいの強さかを100点満点で書きましょう
(感情の例:悲しみ・不安・焦り・怒り・憎しみ・イライラ・恥など)
・適応的思考
自動思考以外にも別の考え方がないかを書いていきましょう
・感情の再点数化
適応的思考をした後に感情に再度点数をつけましょう
この取り組みを通して、感情を落ち着かせ多角的に物事を見ることができるようになり、同じ出来事があっても冷静に判断ができるようになる効果があります。
今回は「挨拶がかえってこなかった」時に「嫌われた」と自動思考が浮かんだ、という例で考えていきたいと思います。
5コラム法記入例
出来事:朝に職場で同僚とすれ違った時に私は挨拶をしたのに、相手から返事がなかった
自動思考:嫌われてしまった。無視されるなんて何かの相手の気に障ることをしたのかもしれない。私はいつもこうだ。
点数の点数化:悲しみ80 不安100 落ち込み90
適応的思考:聞こえてなかったり、考え事をしていたのかもしれない。体調が悪くて声が小さかっただけということもありうる。一度で嫌われたと結論付けるのは早い。
再点数化:悲しみ30 不安60 落ち込み10
このように「嫌われた」という自動思考で不安や悲しみなどの感情が強く出ていたのが、「聞こえていなかったのかも」など他の可能性も考えることで、感情が落ち着いていきました。数字を書くことで視覚的にも気持ちが楽になったという効果が実感できます。
コラム法は他にも「3コラム法」「7コラム法」などの種類があり、最初は時間がかかるかもしれませんが、繰り返し行うことで書き出さなくても頭の中で同様な処理ができるようになります。
認知行動療法を病院で受ける流れ
認知行動療法は精神疾患のある方にとって薬物療法と同じぐらい効果があると言われています。どちらが優れているというわけではなく、変容していくことで効果が期待できます。
認知行動療法は主に以下のような疾患のある方に行われることが多く見受けられます。
・うつ病
・双極性障害(双極症)
・統合失調症
・社交不安障害(社交不安症・対人恐怖症)
・パニック障害(パニック症)
・強迫性障害(強迫症)
・PTSD(心外的外傷ストレス障害) など
医師やカウンセラーに相談をする
認知行動療法にはたくさんの種類があります。自分の症状に合わせた方法をとることが大切になってきます。まずは、通院先の病院で認知行動療法をおこなっているか、主治医やカウンセラーに相談しましょう。
面談を通して治療を行う
認知行動療法は面談を通して行っていきます。人によって認知は違っていきます。まずは医師やカウンセラーとともに問題を整理し目標を立てていきます。そこからその方にあった各種療法を行っていきます。
面談は1回30分から1時間程度で、その中で一緒に療法を行い、ホームワークといって家でできる宿題を次の面談までに進めていくというリサイクルが一般的です。
認知行動療法は時間をかけて行われる
認知行動療法の期間は、その方の状態や実施期間の方針などで異なってきますが、面談でいうと16回から20回を3カ月かけて行われることが多くあります。
認知行動療法は一度おこなって終わりではなく、認知を変えていくためには時間をかけて繰り返しおこなっていくことが必要となるためです。
費用について
認知行動療法にかかる費用はさまざまなケースがあります。特定の疾患については厚生労働省のマニュアルに沿って行う場合があります。その際は健康保険が適用されます。全額自己負担の場合もありますので、事前に医師やカウンセラーに費用の確認をしましょう。
認知行動療法は自分で行うこともできる??
通院先で認知行動療法を行っていない、費用が掛かることに負担を感じるなどの理由で、自分ひとりで試したいと考えていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
認知行動療法は個人でおこなっても効果があると言われています。ただしやり方によっては逆効果になりこともあります。なので書類などに従って行うと良いと思います。現在は本以外にもWEBやアプリなどで手軽に認知行動療法を行うこともできます。
認知行動療法の種類
・コラム法
コラム法はワークシートに出来事とその時の感情、適応的な思考を書いていくことで、自分の認知の癖に気付きバランスを整えていく認知療法になります。
3コラム・5コラム・7コラムなど種類があり、カラム法と呼ぼれることもあります。
・暴露療法(エクスポージャー法)
不安を感じていることに対して、段階を作り徐々に慣れていくことを目指す行動療法になります。例えばパニック障害のある方が満員電車に乗ることに強い不安がある場合は「駅にいく」「各駅停車の電車に乗る」など不安が小さいものから順番に行うことで、無理なく慣れていくという方法を取ります。
・セルフモニタリング法
手帳やワークシートに自分のことを記録していく行動療法になります。記入するのは就寝・起床時間、行動したこと、体調や気分を点数化したものなどで、それを一定期間(1週間・1ヶ月など)続けて振り返ることで、客観的に自分の体調や気分の変化の傾向を知ることができます。自己理解ができることで対策ができるようになり、体調・精神の安定にもつながっていきます。手帳やアプリなどでもできるので、比較的個人でも取り組みやすいものになります。
・リラクゼーション法
人はストレスを受けると心身が緊張し、緊張が続くことで自律神経の不調など悪影響が出てきます。そういった緊張をゆるめてストレスの予防・緩和を行うのがリラクゼーション法になります。一度体に緊張を作手から緩める「漸進的筋弛緩法」や落ち着ける姿勢で公式に沿ってリラックスをする「自律訓練法」などがあります。
ほかにも様々な種類があり、状況によって活用していきます。
まとめ
認知行動療法は自分の認知の癖に気付き、バランスを整えていくことでストレスを軽減させる療法になります。うつ病などの精神疾患のある方にもストレスを溜めがちな方にも効果が期待できます。自分の考え方自体に良し悪しはありませんので、まずは自分の気持ちを受け止めて、生きやすくするために現実とのバランスをとるために活用することを検討してみるといいと思います。
ネオワークス郡山では一人ひとりの症状や得意不得意、希望の職種に向けて、計画をたて支援していきます🌟
相談・見学・体験随時受付中です☺
🌹お気軽にお問い合わせください🌹