皆さん、こんにちは。
生活支援員 國分です。
1月の中旬になりましたが、郡山は暖冬の影響か全然雪が降りません。
みなさんのお住まいはいかがでしょうか。
今回は、発達障害の診断名のひとつ【ADHD】について、基礎知識を一緒に学んでいきたいと思います。
【ADHD】とは・・・
ADHDは不注意や多動、衝動性などを主な特徴とする障がいです。
主な症状としては、
・不注意(適切な対象に注意を向けたり、集中を保持することが難しい)
・多動性(落着きがなく、じっとしていることが難しい)
・衝動性(自分の行動を制止したり、抑制することが難しい)
といった3つのタイプに分けられます。
【ADHDの診断基準】
DSM-5というアメリカ精神医学会が発行している精神疾患の基本的な定義になります。注意欠如と多動性で診断基準が分かれています。
まず、注意欠如についてです。
以下6つ以上が該当するもの。
・不注意な間違い
・注意の持続の困難
・話を聞いていないように見える
・指示に従えず完遂できない
・順序だての困難
・精神的努力の持続を要する活動を避ける(集中力を必要とする作業を避ける)
・必要なものをなくす
・外部からの刺激に注意を取られる
・日々の活動を怠ける
一つひとつはありふれた特性に感じるが、それが6つ以上重なったものが、日常生活に障害をもたらしている場合、診断までいくことになります。
次は、多動性についてです。
こちらも6つ以上該当するものになります。
・手足が動く
・離席する
・走り回ったり高所に登ったりする
・静かに遊んだり余暇活動ができない
・制止の困難
・多弁
・質問が終わる前に答える
・順番が待てない
・他人を妨害する
ADHDについても、ASDと同じように 幼少期から症状があらわれていること、日常生活に重大な障害があらわれていることの条件を満たすことが診断の基準となります。
【なぜ不注意が出てしまうのか】
1.ワーキングメモリーの弱さ
※ワーキングメモリーとは一時的に情報を溜めておき、処理する記憶スペースのこと。
ワーキングメモリーが弱いということは、保持しておける記憶が少ない、記憶の整理や統合が難しいということになります。
その結果、物忘れの多さやマルチタスクの苦手、優先順位づけの苦手につながります。
2.注意の苦手
注意の4つの機能が難しいとされています。
【注意の選択】どこに注意を向けるべきか
例:複数のものを指して「あれ」と指示したとき、適切なものを選択できない
【注意の持続】どのくらい注意を向けていられるか
例:仕事や講義に集中し続けられない
【注意の転換】あるものから別のものへ、スムーズに注意を転換できるか、切り替えできるか
例:一つの作業に集中し続け、約束の時間を破ってしまう
【注意の配分】2つ以上のものに同時に注意を向けられるか、気の取られやすさ
例:仕事中、他者からの電話の内容や外からの環境音が気になってしまい自分の仕事に集中できない。別の事(場所)に意識がいってしまう。
【なぜ、多動性・衝動性が出てしまうのか】
ADHDの脳は行動のブレーキが効きにくい状態にあります。
当事者としては、「ブレーキをかけよう」という意識はあるが、ブレーキがうまくかからないので衝動的な行動をしてしまうことがあります。意思と行動がズレてしまうからこそ、本人のダメージが大きくなってしまいます。
【特性があることで生まれる難しさ】
ワーキングメモリーの弱さによる苦手
・聞き逃し、記憶の上書きによる「物忘れ」
・情報整理の苦手さによる「順序だて、優先順位の困難」
・記憶保持の苦手さによる「忘れ物、紛失、遅刻の多さ」
どこに注意を向けていいのか分からないので、どれが優先順位が高いか不明になったり、逆に一つのものに集中しすぎてほかに注意が向かなくなってしまうことがあります。(過集中)
あるいは優先順位づけはできているが、作業中に別のものに注意が行く、ワーキングメモリーの弱さで作業を忘れてしまい、作業の完遂が難しくなることもあります。
抑制機能の低下
行動にブレーキがかかりにくく、やってはいけないとわかっていても思わずやってしまうことも。
日々の行動を怠けてしまうのはやらなくてはならないとわかっていてもやらないという選択肢を取ってしまうことがあります。
次回は、ADHDの特性があるとどんな困り事が発生しやすいのか、それに対しての対策等を考えていきたいと思います。
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